第46回「映像ロケーション撮影支援で地域を元気に」

2013年11月25日
ゲスト 田中まこさん(神戸フィルムオフィス代表・ジャパンフィルムコミッション副理事長)
パーソナリティ 石丸次郎(ジャーナリスト)
テーマ 映像ロケーション撮影支援で地域を元気に
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00:30 オープニング
04:11 フィルムコミッションの仕事
15:44 小出裕章ジャーナル/廃炉に向けての石棺化について
24:43 フィルムコミッションの成功例
41:18 沖縄基地問題と特定秘密保護法
49:17 エンディング


ラジオフォーラム

■フィルムコミッションは地域振興の一策となるか

ラジオフォーラム

映画等のロケ地誘致や撮影支援をするフィルムコミッションは、神戸フィルムオフィスがその先駆け。誘致に成功した例として、北野武監督『アウトレイジ ビヨンド』やジャッキーチェン主演『新宿インシデント』、近作では『少年H』や『ノルウェイの森』など数多い。

フィルムコミッションは多くが自治体の運営。その狙いとしてロケ誘致による直接的な経済効果のほか、映画を通じて観光客が増えるという間接的経済効果が挙げられる。田中さんは「撮影に関わることで映画など映像に感心をもつことの文化振興や、地元の人たちが地域の魅力を再発見したり、有名俳優が訪れたことで観光地になるといったことも効果」とする。

『冬のソナタ』に代表される韓流ブーム。ドラマロケ地を訪れる日本人観光客も増加した。最近では中国映画『狙った恋の落とし方。』の大ヒットを受けてロケ地となった北海道に中国人観光客が数多く訪れ、ブームとなっている例などがあるという。

田中さんは「ロケ地を訪れ、その場所を知り発見する喜びが新たなツーリズムとなって世界に広がっている。これを通じて、民間レベルで相互理解が進んでいってほしい」との期待を込めた。

■特定秘密保護法について、沖縄在住の映像ジャーナリスト土江真樹子さんに聞く

ラジオフォーラム

広大な面積を占める嘉手納基地。特定秘密保護法は沖縄基地問題の取材も脅かしかねない(画像はGoogleMapより)

報道の自由への脅威として、各方面から懸念や批判が集まっている特定秘密保護法。沖縄は米軍基地や領土問題などで、最も特定秘密に指定される事項が多くなることが予想される。

土江さんはこれまで沖縄返還をめぐる密約など取材してきた。「返還前、米軍統治下には、アメリカに都合の悪い情報は徹底的に秘密にされコントロールされてきた。そのため当時の情報でわからないことはまだたくさんある」とする。

例えば1959年、アメリカ空軍機が石川市(現うるま市)の小学校に墜落し、小学生11人を含む死者17人を出した宮森小学校米軍機墜落事故。この墜落の原因は軍事上の秘密として情報が開示されず、メディアは現場から閉め出された。土江さんが取材で内部文書や写真を入手し、その原因が小さな部品の付け間違えだったことがわかったが、それは40年も経過してからだ。

「復帰前は基地を立ち止まって撮影することすらできなかった。この状況が再現するのではないかと危惧している」と土江さんは危機感を表す。

頭上をオスプレイが飛び、数分車で走れば基地に行き当たる沖縄。基地とのあつれきは常に起こりうる。

「事件、事故が起きてもそれらがすべて軍事秘密とされれば、現場を写真に収めることすらできなくなる。地元の人々は何が起きたか知ることができず、不安は大きくなる。そしてオスプレイは全国で飛んでいる。これはもう沖縄だけの問題ではない」と土江さんは指摘した。

■政府の原発避難方針の転換について/廃炉に向けての石棺化について – 第46回小出裕章ジャーナル

ラジオフォーラム

防護服を来て街を歩く男性。現在も数多くの人々を故郷を追われ、帰還の目処は立っていない(画像は2011年4月の双葉町、Cryptomeより)

福島第一原発事故の避難住民について、今月、茂木経済産業相は「(元の住居に)戻らないと考えている方、判断に迷っておられる方も多数いる。政府としては様々な選択肢を提示していくことが重要だ」と発言。この方針転換、また福島第一原発の廃炉に向けての石棺化について、チェルノブイリの例を挙げながら小出さんが解説した。


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