ゲスト | 林恵子さん(NPOブリッジフォースマイル代表) |
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パーソナリティ | 湯浅誠(社会活動家) |
テーマ | どうして広がる? 子どもの貧困 |
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■現実を知ってしまった責任
ブリッジフォースマイルは、児童養護施設の子どもたちへ、自立のためのさまざまな支援を展開するNPO。小林さんが会社員時代、CSRの事業プログラムを提案する研修で施設の現状を目の当たりにしたのが、設立のきっかけ。「施設には虐待を受けて入所する子どもたちが多く、職員も人手不足で一人ひとりきちんと見てあげる事ができず、燃え尽きてしまう」。
■チャンスは必ずあると子どもたちへ伝える
孤児院というかつてのイメージから、現在は養育ができなくなった親から預けれられるケースが大多数という林さん。親と暮らせない背景には虐待や経済的理由などが挙げられます。親からの支援も受けられず、心に傷を抱えたまま社会に出なくてはならない子どもたちに、生きる力をつけられるようサポートします。
施設に出向く出張セミナーでは、例えば金銭管理。一人暮らしを始めた時にいくらぐらいの給与がもらえ、税金や社会保険、光熱費にいくらかかるかをシミュレーションし、ライフプランを考える基礎を学びます。
一方、夢や希望を持っていても諦めなければならない環境にある子どもたち。「虐待などで自己肯定感が低い上に、どうせだめだという気持ちになってしまう。努力をすれば報われる、チャンスは必ずあるということを伝え、大人たちが支えることが必要」と訴えました。
■子どもの貧困対策法の展望
先の国会で、「子どもの貧困対策法」が成立しました。その背景には日本の貧困の深刻化があります。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、2009年の段階で日本の相対的貧困率は15.7%、およそ300万人の子どもが貧困状態にあり、先進国のなかでは高い水準にあります。
林さんは児童養護施設の子どもたちは、虐待を受けているケースが多く、貧困で親に生活の余裕がないことが理由にあると指摘。「十分に勉強できる環境が与えられず、学力不足の子が多い」とその特徴を上げます。
同法では貧困対策推進のための大綱を定めることが盛り込まれています。林さんは大綱に入れるべき対策として、「施設退所後は収入も安定せず、家賃負担が大きい。そのため生活が安定する場所、住居の対策が重要」としました。
湯浅は「大綱ができれば自治体が対策に動き出す。私たちもその内容をお任せにせず、チェックし提言していきたい」と応えました。
■再処理工場の危うさを問う – 小出裕章ジャーナル
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんによるレギュラーコーナー「小出裕章ジャーナル」は六ケ所再処理工場がテーマ。
小出さんは再処理工場が放射能のゴミを処理する施設と誤解されがちと指摘。「再処理工場は核兵器の材料ともなるプルトニウムを取り出すことが本来の目的。日本の場合、使用済み核燃料から原発の燃料を取り出すことを標榜している」としました。
これまで2兆数千億円という多額の資金が投入されたものの、実際の使用済み燃料を使ってテストする「アクティブ試験」もうまくいかず、稼働はとん挫した状態です。
たとえば海に放出する場合の放射性物質の濃度規制は、再処理工場の場合は適用外のため、環境への悪影響も多大と指摘する小出さん。「ひとつの原発が1年間に排出するものを1日ごとに排出してしまう。正気の沙汰とは思えない」と断じました。
■若者の声を政治に届けるには – TAZの活動
さまざまな社会活動やイベントを紹介する「ラジオのたね」では、明治学院大学国際学部2年の中村充孝さんに、「TAZ(タズ)」という任意団体の活動をご紹介いただきました。
TAZは脱原発の官邸前抗議行動をきっかけに、社会の変化を学生の視点から学び、共有する場として活動。原発に依存しない持続可能社会のあり方や若者の政治参加などがテーマで、先の衆院選に際しては、選挙をテーマにした他団体とのコラボイベンなどを開催しました。
「若者は投票率も低く、声が政治に反映しにくい。この参院選でも各党の政策を分析・比較して、投票すべき党を考える企画が進行している」と語りました。
ゲスト略歴
林恵子(はやしけいこ)
1973年12月生まれ。津田塾大学卒。96年4月(株)パソナ入社。副社長秘書、営業、面接、契約管理、人事などを担当。04年12月 、首都圏を中心に児童養護施設を退所した若者の自立を支援するNPOブリッジ・フォー・スマイル創設(05年6月法人成立)、理事長就任。(出典:ブリッジフォースマイル)
- NPO法人ブリッジフォースマイル
- 児童養護施設(Wikipedia)
- 子どもの貧困対策法のポイント(PDF、衆議院)
- (Googleニュース検索)
- 相対的貧困率(Wikipedia)
- 相対的貧困率の国際比較
- TAZ