第6回「震災とメディア」

2013年02月16日
  • 放送開始日:2013年2月16日(土)
  • Web公開日:2013年2月22日(金)
  • ゲスト:吉岡  忍さん(ノンフィクション作家)
  • パーソナリティ 石井  彰(放送作家)
  • 音楽のたね(オンエア曲) ブルース・スプリングスティーン『Galveston Bay』
    ※著作権の関係によりアーカイブ中の楽曲放送はありません
  • タイムライン
    12:45 ニュースのたね/教育・スポーツ界での暴力問題
    20:54 小出裕章ジャーナル/福一での高濃度汚染水処理
    30:06 はなしのたね/被災地の漁業の現状
    44:25 ラジオのたね/女川町臨時災害FM「女川さいがいFM」

第6回目の放送は「震災とメディア」をテーマに、ノンフィクション作家の吉岡忍さんをゲストにお迎えしました。パーソナリティは放送作家の石井彰。
発災直後から被災地取材を続け、収録日直前にも宮城県女川町で「ホヤの養殖」を取材していたという吉岡さん。「震災の打撃から復興するには、まず沿岸部の基幹産業である漁業の復活が急がれる。ところが被災地を報道するメディアは、現地の雇用につながる産業復興の大切さに気がついていない」と指摘。報道が復興への明るい話題に偏っており、被災地の人々のリアルな声をもっと取り上げるべきとしました。
「ニュースのたね」では教育現場やスポーツの世界で明るみなった体罰・パワハラ問題を取り上げました。吉岡さんはこの問題が日本文化のある種の歪みとし、「暴力によって人が変わり得る、と考えるその人間観自体が下劣」と批判しました。
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんによるレギュラーコーナー「小出裕章ジャーナル」では、福島第一原発で増え続ける高濃度汚染水の処理がテーマ。貯水施設が増設できないため東電が海へ放水することを検討していることについて、小出さんは「海に捨てる以外方策がないのが現状」としました。また漁協関係者が海の汚染を懸念しているとの吉岡さんの質問に「どうしようもないというのが実情。なんとか海への漏れを防ぐということしかできない」と指摘しました。
また冒頭では、当番組をカナダ・バンクーバーで放送している日本語ラジオ局「C Zoom Radio Nippon」の田村富士夫さんに電話をつなぎ、震災の瓦礫が同国沿岸に漂着していることについての現地の反応をレポートいただきました。
「ラジオのたね」では、震災で大きな被害を受けた女川町で臨時災害FM「女川さいがいFM」の運営に携わっている大嶋智博さんに、「いま被災地から全国に伝えたいこと」をうかがいました。
■吉岡  忍さん推薦図書
吉岡さんが「放射能に関心のある人はぜひ読んだ方がいい」と推薦された一冊。
新装版 人間と放射線―医療用X線から原発まで― (明石書店刊)
ジョン・W・ゴフマン 著  訳者の一人として小出裕章さんも執筆されています。
明石書店Webサイト
次回第7回はゲストに山本太郎さん、パーソナリティは今西憲之でお送りします。
過去放送回は当ホームページでお聴きになれます。

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