第42回「労働特区とブラック企業」

2013年10月28日
ゲスト 北健一さん(ジャーナリスト)
パーソナリティ 今西憲之(ジャーナリスト)
テーマ 労働特区とブラック企業
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00:33 オープニング
03:28 小出裕章ジャーナル/自然災害への対策不備
14:07 解雇特区は何をもたらすか
26:34 ブラック企業の実態
38:17 福島県川俣町の現在
49:14 エンディング


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■解雇特区はブラック企業の集積地となる?

ラジオフォーラム

15日招集された185回臨時国会で所信表明をする安倍総理。特定秘密保護法案、日本版NSC(国家安全保障会議)設置法案など重要法案が目白押し(写真は首相官邸ホームページより)

安倍政権は「成長戦略」の柱として国家戦略特区の設置を提唱している。労働者の解雇が自由、残業代がゼロになるなど労働規制を撤廃する労働特区もそのひとつ。メリットして「グローバル企業やスタートアップ直後の企業が優秀な人材を集めやすく、また、優秀な人材にとって働きやすい制度環境がつくられる」としているものの、一方で解雇しやすくする、長時間働かせられるという点において、労働者にとっては一方的に不利な施策である。

北さんは「優秀な人は特区から逃げ出すだろう。ブラック企業、ブラックな働き方が集まることになるのではないか」と指摘する。

※この放送は10月15日に収録されました。解雇特区は18日、事実上の見送りとなっています。

■若者を使い潰すブラック企業の実態

すっかり定着した感のある“ブラック企業”。IT企業で働く労働者がネット上で、その働き方の苛烈さを表現したことが発祥だ。「若者は根性がない」という若者論に落とし込められることが多かったこの問題だが、北さんは「雇った側に問題があるのではないか。そのことをこのキーワードは投げかけている」とする。

若者を心身を病むまで使い潰すブラック企業。某居酒屋チェーンでは、その創業者が「お客様のことを考えれば、勤務中に飲食するのは二流だ」などと言い放ち、長時間労働による過労を強いた。26歳の従業員が過労自殺する痛ましい結果をもたらしている。

北さんは「辞めることを前提にして大量に採用し、使い潰して辞めさせる。これが常態化し、ビジネスモデル化している。これを一企業に許していることは、社会の損失だ」とブラック企業の様態を解説する。

■東電はなぜ自然災害を軽視するのか- 小出裕章ジャーナル

小出裕章ジャーナル

台風26号近接に伴う堰内雨水の汲み上げの様子。16日早朝にはあふれるとして、堰外に排水した(画像は東電ホームページより)

台風や大雨など自然災害が相次ぐ今秋。福島第一原発の敷地内では、あふれる雨水や汚染水の対策が後手に回っている。小出さんは「対策を厚くすればするほど、現地で働く労働者の被曝は激しくなる。どこまでやってくれと言えるのか、私自身心苦しい」と心情を語るとともに、水ではなく金属で炉心を冷やす方式を提唱する。


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