■ゲスト:纐纈(はなぶさ)あやさん(映画監督)
■パーソナリティ:石井彰(放送作家)
■テーマ:映画を撮るのは私の生き方
■放送日:2013年5月18日(土)〜24日(金)(収録日:2013年4月30日)
■音楽のたね:吉田美奈子『声を聞かせて』
※著作権の関係によりアーカイブ中での楽曲放送はありません
■放送内容のサマリー
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16:31 小出裕章ジャーナル/放射能の人体への影響
30:06 はなしのたね/祝島と映画への思い
46:44 ラジオのたね/『原発をゼロにする33の方法』
54:14 エンディング
第19回は、山口県の上関原発に反対するの人々を描いたドキュメンタリー映画「祝の島(ほうりのしま)」を撮った映画監督の纐纈(はなぶさ)あやさんをゲストにお送りしました。パーソナリティーは放送作家の石井彰。
■原発反対が生活の一部 – 祝島の人々
「はなしのたね」では、纐纈さんが映画を撮り始めたきっかけについてお話いただきました。さまざまな仕事を経験し、チェルノブイリの原発事故を描いた映画『ナージャの村』『アレクセイの泉』を監督した本橋成一さんと出会い、映画製作を手伝うようになった纐纈さん。
本橋さんの事務所を退職した後、毎日のように映画を観るなかでドキュメンタリー映画の面白さに目覚め、「撮り手と被写体の関係性の表現がドキュメンタリーの醍醐味。私にも撮りたいものがあると感じた」と語り、祝島をテーマとする映画製作に乗り出しました。
祝島の人々が毎週月曜日に定例デモを行うなど、原発反対が生活の一部となっており、「海と山とにつながった島で暮らしを続けようとすることが、つまり原発反対なんだということが見えてきた。祝島のように、他の生命との調和を保ち、持続できる暮らしをする責任が人間にはあると感じた」と語りました。
現在、第2作となる『ある精肉店のはなし』(仮題)を、11月29日公開を目指して製作中。纐纈さんは大阪にある、牛の飼育から屠畜・解体処理、販売まで一貫して行ってきた北出精肉店を被写体とし、作品に込める思いや撮影のエピソードなどをご披露いただきました。
■311後の暮らしのあり方とは
「ニュースのたね」では、『祝の島』を撮った経験から得た、これからの暮らしのあり方や自然との向き合い方について、纐纈さんの思いを語っていただきました。
自然の流れを大切にしながら、人間の身の丈に合った暮らしが必要とし、「豊かな経済を求める今の方向性は見直すべき。それを考える大きなきっかけが311だったのでは」と語り、一方で猪瀬直樹・東京都知事が打ち出している地下鉄24時間化など、逆行する動きに疑問を投げかけました。
■子どもたちを放射能から守る – 小出裕章ジャーナル
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんによるレギュラーコーナー「小出裕章ジャーナル」では、放射能の人体への影響や危険性について解説いただきました。
8Svの線量で死に至るといい「放射能の持つエネルギーによって体の組織や遺伝情報が破壊されてしまう」とし、また子どもは細胞分裂がさかんなことから、遺伝子が傷つけられる影響が大人よりも大きいと解説しました。
「原発事故によって多くの人たちが被曝し、逃げることのできないままなっている。せめて子どもたちを少しでも被曝から守ることが、私たち大人の責任」と語りました。
■自分なりのやり方で脱原発へ
「話のたね」では、先日『原発をゼロにする33の方法』を編集・出版した「ほんの木」代表の柴田敬三さんに、電話でお話をうかがいました。原発をゼロにする方法や、脱原発活動をする人々のインタビューなどを収めた同著。「デモや署名のほかに、自分なりのやり方で、やれる範囲で脱原発の意思を示すことが大切」と訴えました。
■関連リンク
・映画『祝の島』
・『祝の島』製作奮闘記
・『ある精肉店のはなし』(仮題)
・『ある精肉店のはなし(仮)』を応援する会
・『ナージャの村』
・『アレクセイの泉』
・放射能(Wikipedia)
・『原発をゼロにする33の方法』(ほんの木)
(了)
■次回20回放送のご案内
・放送日:2013年5月25日(土)〜31日(金)
・Web公開:2013年5月28日(火)
・ゲスト:
安田浩一さん(ジャーナリスト、電話出演)
リ・シネさん(ライター)
・パーソナリティ:石丸次郎(ジャーナリスト)
・テーマ:在特会と差別排外扇動活動(ヘイト活動)の実相
過去の放送はアーカイブページからお聴きになれます。