■ゲスト:大崎麻子さん(ジェンダー・開発政策専門家)
■パーソナリティ:湯浅誠(社会運動家)
■テーマ:誰もが生きやすい社会
■放送日:2013年5月4日(土)〜10日(金)(収録日:2013年4月17日)
■音楽のたね:Orchestral Manoeuvres In The Dark『If You Leave』
※著作権の関係によりアーカイブ中での楽曲放送はありません
■放送内容のサマリー
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15:36 小出裕章ジャーナル/電力会社とゼネコンの関係
30:00 はなしのたね/誰もが生きやすい社会
45:46 ラジオのたね/沖縄のパーソナルサポートセンター
53:12 エンディング
ジェンダー・開発政策専門家の大崎麻子さんをゲストに、「誰もが生きやすい社会」と題し、ジェンダーの問題を通じてこれからの日本社会のあり方を考えました。パーソナリティは社会活動家の湯浅誠。
大崎さんは国連開発計画(UNDP)で、途上国の女性支援やジェンダー平等推進の立案などを担当され、帰国後は国際機関、省庁、NGOなどで政策提言や講演、社会貢献活動のアドバイザーなどを務めておられます。
■女性の社会進出が進まない日本
「ニュースのたね」のテーマは、「なぜ日本では女性の社会進出が進まないのか」。世界経済フォーラムが発表した2012年「男女平等(ジェンダー・ギャップ)指数ランキング」では、日本は135カ国中101位と、先進国では最低レベル。
大崎さんは、どういった国が発展し持続可能な社会を築けるか、そして投資先として適切か、それらを測るひとつの指標としてランキングが発表されているとし、日本は特に政治での女性進出は遅れていると指摘。「組織や社会に多様性のあることがイノベーションの鍵で、その根幹にあるのが男女のバランス。日本は人権上も、投資先としても問題があると見られている」と語りました。
■生きるチカラを、日本の女の子へ
「はなしのたね」では、大崎さんのUNDPでの取り組みなどを解説いただきながら、「誰もが生きやすい社会」について考えました。途上国支援を通じて、各人の能力を開花させるために、性別によって選択肢や機会が狭められてはならないと感じたという大崎さん。
ジェンダー平等に関して、国際機関などから日本へさまざまな提言が示され、処方箋はたくさんあるとし、「国が施策を展開していくよう、私たち有権者が意識をしっかり持つことが必要」と訴えました。
また国内の女性のエンパワーメントに取り組んでいきたいという大崎さん。「異性にモテる力という意味での“女子力”ではなく、自分の人生を主体的にかじ取りする力を身につけることの大切さを呼びかけたい」と語りました。
■誰が原発で得をするのか? – 小出裕章ジャーナル
京都大学原子炉実験所の小出裕章さんによるレギュラーコーナー「小出裕章ジャーナル」ではまず、福井県や大阪府などの住民約260人が、国内で唯一稼働中の大飯原発3、4号機の運転差し止めを求めた仮処分申請で、大阪地裁が4月16日、請求を却下した件に触れました。
小出さんは「大変あきれた判断だ。福島第一原発事故は現在も進行中で、その経過や全容もほとんどわかっていない。そんななかで安全だという結論は到底出てこない」と批判しました。
また原発を作ることで誰が得をするのか、について。原発建設は建設会社にとっても、高い利潤を得られる“おいしい仕事”であり、それが原発推進のひとつの動機となり、小出さんは「電力会社は何千億円というカネを契約先のゼネコンへバラまくように支払う。双方が儲けられる構造で原発が進められてきてしまった」と指摘しました。
■沖縄「就職・生活支援パーソナル・サポート・センター」
「ラジオのたね」では沖縄県から、生活困窮者支援の相談事業を行う「就職・生活支援パーソナル・サポート・センター」の活動について、同センターの山下太一さんにお話をうかがいました。観光地という華やかな面の一方、高い失業率、全国最下位の県民所得、非正規雇用の割合の高さなど、さまざまな問題を抱える同県。
山下さんは、「就職ができない、ホームレス状態、お金の問題を抱えている、など相談に来る方が抱えている悩みはさまざま。関係機関と連携しながら、その人に寄り添って解決を進めていく」と、多方面にわたる支援のかたちをご解説いただきました。
■関連リンク
・大崎麻子公式サイト
・
・男女平等(ジェンダー・ギャップ)指数ランキング(2012年、世界経済フォーラム発表)
・大飯原発3・4号運転差し止め仮処分裁判
・大飯原発3・4号機再稼働差し止め訴訟判決・大阪高裁へ即時抗告と記者会見(IWJ)
・就職・生活支援パーソナル・サポート・センター
(了)
■次回18回放送のご案内
・放送日:2013年5月11日(土)〜17日(金)
・Web公開:2013年5月14日(火)
・ゲスト:栗原佳子さん(ジャーナリスト)
・パーソナリティ:西谷文和(ジャーナリスト)
・テーマ:屈辱の日、なぜ沖縄ばかりが犠牲になるのか
過去の放送はアーカイブページからお聴きになれます。