■ゲスト:リ・ハナさん(日本在住の脱北者)
■パーソナリティ:西谷文和(ジャーナリスト)
■テーマ:日本に住む脱北者、リ・ハナの思い
■放送日:2013年4月27日(土)〜5月3日(金)(収録日:2013年4月22日)
■音楽のたね:ZARD『負けないで』
※著作権の関係によりアーカイブ中での楽曲放送はありません
■放送内容のサマリー
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ゲストに日本在住の脱北者、リ・ハナさんをお迎えしました。パーソナリティはジャーナリストの西谷文和。
北朝鮮での生い立ち、家族のこと、脱北から中国での潜伏生活のこと、そして日本での学生生活などを綴ったブログをまとめた『日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩』(アジアプレス出版部)を今年1月に出版、大きな反響を呼んでいます。
■決死の思いで脱北
リ・ハナさん本人は北朝鮮生まれ。脱北を決意するきっかけは15歳の時、親戚が犯した罪の連座制を問われ、農村部へ追放されることになったこと。2度と都市には戻れず、職業選択の自由もないため、子々孫々まで農村部で生活することになるといい、「母が中国へ逃げることを決断した。死を覚悟した上で賭けだった」と言います。
そして、国境警備隊に銃撃される恐怖を抱えながら、鴨緑江を半ばパニックのような、必死の思いで渡った時の様子を生々しく語っていただきました。
■来日、そして苦学の末に大学入学
脱北後、中国ではアルバイトをしながら5年間の潜伏生活。来日後も、バイトと夜間中学に通いながら、日本語を勉強。
「日本で本当にやっていけるのか、自分への挑戦」という気持ちで臨んだ大検に合格し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も支援プログラムによって大学入学を果たします。「日本は北朝鮮と社会の構造がまったく違う。じっくりと社会を勉強したかった」と思いを語りました。
■日本への思い
脱北者であることを、周囲になかなか打ち明けられないというリ・ハナさん。「つらさを抱えながらも、日本社会で自立して生きて行きたいという脱北者は多い。普通の人だという視線で温かく見守ってほしい」と語りました。
■チェルノブイリのいま – 小出裕章ジャーナル
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんによるレギュラーコーナー「小出裕章ジャーナル」では、4月26日で事故発生から27年目を迎えるチェルノブイリ原発事故をテーマに取り上げました。
事故後、放射能の観測を行なっていたという小出さんは、「事故現場から8,000キロも離れた日本でも検知されたことに大変驚いた。こういう事故は2度と起こしたくない、という思いを強くした」と振り返りました。
また、放射性物質を閉じ込めるため建設された石棺も老朽化が進む一方、その石棺を覆う第2石棺の建設が続けられている現状を解説いただきました。
福島第一原発でもいずれ同様の対策が必要になると指摘。「何十年という単位で、気の遠くなるような作業になる。多くの労働者が必要にもなり、その人員確保も大きな課題になるだろう」と事故収束への困難な見通しを示しました。
■関連アーカイブ
第2回放送 チェルノブイリ支援の今(ゲスト:小室等さん)
■関連リンク
・『日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩』書籍案内(アジアプレス)
・脱北者(Wikipedia)
・在日朝鮮人の帰国事業(Wikipedia)
・チェルノブイリ原発事故(Wikipedia)
(了)
■プレゼント応募受付中!
リ・ハナさんの著書『日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩』をリスナーの3名様にプレゼントいたします。応募締め切りは5月10日(金)まで。詳細はこちらをご覧ください。
■次回17回放送のご案内
・放送日:2013年5月4日(土)〜10日(金)
・Web公開:2013年5月7日(火)
・ゲスト:大崎麻子さん(ジェンダー・開発政策専門家)
・パーソナリティ:湯浅誠(社会活動家)
過去の放送はアーカイブページからお聴きになれます。